インタビュー

Interview

Care Palette(ケアパレット)
特別養護老人ホーム豊望園
Q
活躍している介護ロボット(ICT機器)の特徴は?

 目的は、もっともっと、ご利用者の「生きる」に寄り添うために。
 タブレットで、記録業務を簡単に、時間を短く。一人ひとりと向き合うための時間をつくり、さらに、あらゆるシステムと連動させることで、をケアの質も高めていくことができる。ケアパレットは、タブレット上のアプリを使って起動し、ご利用者ごとに食事・入浴・排泄をはじめ、介護・看護等によるケア並びに利用者の状況(バイタル含む)を即時にデータ入力することができます。その場で最新の記録が行えるほか、介護を実践するために即時に情報を共有できるインカムを利用します。職員が使用するPCともシステムが連動しているため、タブレット端末だけではなく、PCでも保存されたデータを確認することが可能です。得られたデータは蓄積されていくため、エクセル等でわざわざ別に作成せずとも、システム内の機能を使ってグラフ化し、状況や傾向を分析することもできます。
 また、文字だけではなく、カメラ機能を使用した画像記録もできます。そのため、例えば気になる皮膚の状況について、入居者が受診に伴う移動が難しいご利用者の場合、主治医に画像を診てもらい必要な指示等を仰ぐこともできます。現在、居室内にあるナースコールや離床センサーとの連動に向けてシステムのアップデートを進めています。今後はそれらのデータに基づき、見守りや安否確認のタイミングもご利用者の状況に合わせた対応が可能になると見込んでいます。技術によってベンリになることが、もっと人間の寄り添い温かさを届けられるようにしたい。私たちは、最先端技術をそう捉え、導入をすすめています。

Q
介護現場での活躍の状況や導入して生じたメリットは?

 まず、なによりも「一人ひとりと寄り添う」ための時間が生まれたことが挙げられます。記録に関して、従来は一通りのケアを終えて、時間を設けてまとめて手書きするという通例でした。記録の時間を確保するために、ご利用者とコミュニケーションをとる時間が思うようにつくれない状況が続いていました。このシステムを導入したことにより、書く時間が省かれ、時間の使い方も改善され、ご利用者とのコミュニケーションの時間が増えてきました。あとで記録内容を確認する際もファイルを引っ張り出すようなことをする必要がなくなり、タブレット端末が1つあれば、その場で記録を閲覧できるため、業務の効率化を図ることにもつながっています。
 記録に係る時間が短縮されたことは、職員の負担軽減にもつながっています。また、各職種がタブレットを使って記録することで、システム機能を使って情報の一元化が可能となり、ご利用者の状況やニーズに合わせたより良いケアの展開と安心・安全の提供につなげることができるようになりました。

公開日:2022.03.31